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第7回 “ばね”って、自動車のどこに使われているの?(その2)

みなさん、こんにちは。サッカーのワールドカップはイタリアの優勝で幕をとじましたが全世界が燃えましたね。残念ながら日本チームは決勝トーナメントへ進むことはできませんでしたが、ハラハラ、ドキドキ、十分に楽しむことができました。又、中田選手突然の引退宣言には驚かされました。誠に残念です。


さー、もうすぐ夏休みですね。行きたい所はあるけど、自動車で行こうか、飛行機で行こうか、電車で行こうか、と悩んでいる人も多いのでは?


さて、今回のテーマは「“ばね”って自動車のどこに使われているの?」の2回目です。
猛暑という過酷な気候条件においても頑張っている自動車に少し気持ちを向けてみながら楽しく勉強しましょう。


パイオラックスが製造している弾性(ばね)の応用製品は、主に


(1)燃料系

(2)駆動系

(3)開閉機器

(4)ファスナー

(5)ハーネス

(6)精密部品

(7)クランプ部品


です。
前回は「燃料系」の製品を紹介しましたので、今回は(2)駆動系の製品について紹介しましょう。
「駆動系」とは、エンジンと、そのエンジンの動力を元にして自動車を動かす構造体全般を示します。パイオラックスの製品としては、エンジンやトランスミッション(ギアをチェンジする機構)に利用される様々な金属製コイルばねがあります。

エンジンの排気をコントロールする弁にも使われているばね
エンジンが稼動するためには、ガソリン、軽油、 LP ガス、アルコールなどの揮発性が高い(気化しやすい)液体を燃料としています。これらの燃料が空気と混合されながらシリンダー(ピストンが上下に動く筒)へ注入され、次にシリンダー内のピストンがぎゅ~っと燃料を含んだ気体を圧縮します。その瞬間にスパークプラグが電気的に放電し、圧縮された燃料に引火して爆発します。この動作が、 8 気筒のエンジンであれば 8 つのシリンダー内において繰り返されています。


でも、ちょっとここで不思議に思うことはありませんか?
燃えた(爆発した)後の気体は、どうなっているのでしょうか?
人間も空気を吸うだけではなく、はかなければ次の空気を吸えませんよね。
エンジンも同様に燃え尽きた気体は、「排気ガス」としてエンジンの外へ出しています。
そのためにシリンダーには排気するための弁が付いています。この弁を閉じる為に金属ばね(コイル形状)が使われています。

ギヤの切り替えにも多くの金属ばねが必要

トランスミッションには、オートマティック用とマニュアル(手動)用があります。


いずれも、自転車のギヤのような働きをします(構造は違いますが)。自動車の初動からスピードアップまで効率の良いギヤ切替の他に、道路の条件(上り坂など)に合わせてギヤは切り替わります。このような働きをするトランスミッションは、自動車のスピードやエンジンの回転数、アクセルの踏込み状況、クラッチの踏込み(マニュアルの場合)などをテンション(負荷)として認識しながらギヤを切り替えています。このようなテンションを受け元に戻す為に多くの金属ばね(コイル形状)が使われています。

さて、今回のお話はここまでです。
今回ご紹介したばねも、普段、目にすることはありません。
また、これらのばねだけを交換することは簡単ではありません。大変な作業を必要とします。そのため、簡単に壊れたりしないように、優れたばねを使用しなければなりません。
「いや~、先日、エンジンやトランスミッションのばねが壊れてさ~、交換したよ」といった話を耳にすることはほとんど無いと思いませんか?


次回は、(3)開閉機器の各製品についてお話します。
それでは、次回もお楽しみに。

ばねっこ(筆)